子宮の一部に腫瘍ができる病気ですが、多くは良性です。自覚症状がないため気付かない人も多いのですが、40歳代では4人に一人が子宮筋腫を持っているといわれるほど多い病気です。大きさはさまざまで、米粒程度のものから子どもの頭ぐらいの大きさまであり、エストロゲンの影響で大きくなり、閉経後に小さくなることが多いです。子宮内の複数にできる「多発性筋腫」などもあり、腫瘍ができる場所で「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」「粘膜下筋腫」と名前が異なります。
無症状の場合も少なくありません。筋腫が大きくなると月経が増えたり、長くなったりする症状があげられ、そのために貧血になることも。さらに大きくなると下腹部にしこりができたり、膀胱を圧迫して頻尿になってしまうこともあります。ほかに、だるさを感じたり、便秘になる場合もあります。
子宮筋腫は死に至る病気でないため、筋腫はそのままで経過を見ていく「経過観察」、筋腫の成長を止める「薬物療法」、大きな筋腫であれば「手術療法」があり、ライフスタイルや症状に合わせて医師と相談するのがいいでしょう。
経過観察
子宮筋腫の発症数はかなり多いですが、治療を必要とするものは少ないです。そのため、筋腫があっても日常の生活に差し障りがなければ、ある程度定期的に検査をしながら経過を見ることができます。筋腫の大きさなどによっても異なりますが、3~6カ月毎に検査を受けます。
薬物療法
薬物療法には、「対症療法」と「ホルモン療法」があります。
「対症療法」
筋腫自体は治療せず、それにともなって起こる症状をやわらげます。貧血症状や痛みの改善などがそれに当たり、鉄分の摂取や鎮痛薬を使用します。
「ホルモン療法」
月経を止め筋腫を小さくするために、女性ホルモンの分泌を抑えるためのホルモン剤を用います。ただし、ほてり、のぼせ、肩こりなど、更年期障害のような症状が出る場合があり、体の負担も大きいので、服用は最大6カ月までが限度です。
手術療法
筋腫が大きな場合には、手術をする必要があります。手術は大きく2通りあり、筋腫だけを取り除く「筋腫核出手術」と、子宮全体をとる「子宮全摘出術」があります。
子宮筋腫摘出手術を行った場合 (入院7日間/手術費など) |
20万円~ |
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子宮全摘出手術を行った場合 (入院9日間/手術費など) |
45万円~ |