月経困難症とは、一般に言う「生理痛」のことです。生理の際に「下腹部痛や腰痛などが極端にひどい」など、日常生活に支障が出るほどの強い症状があれば、月経困難症とされます。子宮内膜症や子宮筋腫などが原因となっていることもあるので、早めに医師の診察を受けましょう。また、タバコを吸う人は月経困難症になりやすいと言われ、禁煙しただけで症状が改善したケースもあるようです。
月経困難症には、身体の器官に異常をともなわない「機能性月経困難症」と、何らかの病気をともなっている「器質性月経困難症」があります。それぞれの違いを見てみましょう。
機能性月経困難症
身体に異常はなく、体質やストレス、生活習慣などが原因となっているタイプ。月経困難症の多くはこれにあてはまります。子宮を収縮させる働きのあるプロスタグランディンの過剰な分泌で症状を引き起こしていることが考えられます。また、若い人の場合、子宮や卵巣の未成熟などが原因となっている可能性も。血行不良やストレスなどが症状を重くしているケースもあるので、まずは医師に相談してみましょう。
器質性月経困難症
身体の臓器に何らかの異常があり、それが原因となっているタイプ。子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因と考えられます。生理痛が急にひどくなったり、鎮痛剤を3~4日も飲むほどに痛みが増している場合には、これにあてはまる可能性があります。
機能性月経困難症の場合、生理痛をやわらげるために鎮痛薬を服用します。また、生理痛の原因となるプロスタグランディンの過剰分泌を抑制する薬を服用するケースも。症状が重い場合には、医師が処方するピルを用いますが、高血圧の人や喫煙者はピルを使用することができない場合もあります。 器質性月経困難症の場合は、原因となっている病気を治療します。これによって、症状を改善できるケースも多いのです。