妊娠中を除き、初潮から閉経までの間、生理はほぼ月に一回、一定の周期でおきるものです。正常な周期は、「生理の始まる日」から「次の生理が始まる日の前日」までを数え、24~45日。この範囲を外れると、月経不順といえます。周期の長さに異常があると、子宮に関する病気を発症している可能性もあります。また、生理の際に、出血の期間が長くなったり、出血にレバーのようなかたまりがあったり、生理痛がひどくなるなど、いつもとは違う状態である場合も、ホルモンバランスに異常があると考えられ、子宮内膜症や子宮筋腫などを引き起こしている可能性が。慢性化すると不妊の原因にもなるので、生理周期の乱れを感じたら、必ず婦人科で診察を受けましょう。20~40歳代の女性の場合は、生活習慣が原因で月経不順となることが多いようです。
月経不順は、周期や出血期間の異常など、さまざまなタイプがあります。それぞれの症状を見てみましょう。
頻発月経
生理の周期が短いタイプ。24日以内で、月に2回以上の生理が訪れます。また、出血量が少ない場合は、不正出血であることが疑われます。原因は、排卵をともなわない無排卵や黄体機能の不全などで、慢性化すると不妊につながる可能性もあります。排卵性の場合は、貧血になる恐れもあります。
稀発月経
生理の周期が長いタイプ。46日以上、90日未満の周期で生理が訪れる場合、無排卵周期症の可能性があり、放置しておくと不妊の原因になります。排卵性であれば、特に身体に影響はありません。
続発性無月経
通常の生理を迎えた後、60日~90日以上、生理が訪れていないタイプ。無理なダイエットや激しいスポーツなどで、ホルモンバランスを保つ視床下部や脳下垂体の機能が低下していることが原因。放置すると、無月経になることもあり、不妊につながります。
過長月経
一回の生理期間が長いタイプ。出血期間が8日以上で、レバー状のかたまりが出るなどの症状をともないます。子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜ポリープなどの病気が原因となっている可能性があります。
過短月経
一回の生理期間が極端に短いタイプ。出血期間が2日以内で、出血量が非常に少ないケースが多いです。ストレスやダイエットなどでホルモンバランスが乱れておきる無排卵性のものが多いですが、子宮内膜症の癒着や子宮の発育不全などが原因となっている可能性もあります。
無排卵性の月経不順は、放置すると無月経や不妊の原因となるので、排卵誘発剤やホルモン剤の投与で治療をおこないます。また、月経不順をおこす原因の多くは、ホルモンバランスの乱れが関係しているので、ホルモンバランスを整える働きのある「ビタミンE」を服用するケースも。 排卵性の月経不順は、思春期や更年期にあてはまらない20~40歳代の場合、特別な治療は必要ありません。食生活の偏り、ストレスなどがホルモンバランスを崩す原因となっているので、医師に相談したうえで生活習慣の見直しをしましょう。