子宮の入口にある頸部にできるがん。がんになる前に、「子宮頸部異形成」という前段階があり、その段階でも検診で見つけることができます。
子宮頸がんは、セックスで感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因になるといわれ、セックス経験のある女性の多くが感染しますが、感染しても、ほとんどが免疫力でウイルスを消滅させてしまいます。ですが、まれに消滅せず感染したままの状態が続くと細胞が異形成となり、がんに変化していくことがあります。感染してから発症までが長いので、早期に発見すれば治癒率が高いのも特徴です。 最近では、若い世代にも多く見られるがんです。
0期 | 子宮頸部の上皮の中だけにがんがとどまっている |
---|---|
Ⅰ期 | がんが子宮頸部に限ってみられ、ほかに広がっていない |
Ⅱ期 | 子宮頸部を超えてがんが広がっている。骨盤壁や膣壁の下1/3に達していない |
Ⅲ期 | がんが骨盤壁まで達している。がんと骨盤壁の間にがんでない部分がない。 または膣壁の下1/3を超える |
Ⅳ期 | がんが小骨盤壁を超えて広がる。また膀胱や直腸の粘膜を侵している |
子宮頸がんの治療法には大きく3つの方法あります。
「手術療法」「放射線療法」「化学療法」の3つで、進行度合いはもちろんのこと、患者のライフスタイルや将来設計なども考慮して、治療方針を決定します。
手術療法
比較的多くとられる手技が「円錐切除術」で、がんのある頸部を円錐形に切除する方法。子宮を残すことができるため、妊娠の可能性を保てます。
それより、がんのステージが進んでいる場合は、「単純子宮全摘出術」が行われ、子宮を切除します。初期のがんでも、もう妊娠を望まない人にはこの方法を選択する人が多いです。
がんが頸部以外にもひろがっている場合には、「広汎子宮全摘出術」を行います。子宮と卵管、卵巣、膣の一部、リンパ節まで広く切除するため、排尿障害など、その後の生活に支障をきたすこともあります。
放射線療法
がん細胞に放射線を照射させ、がん細胞を殺します。手術の難しいステージⅢ期以降の人に行ったり、リンパ節に転移があると手術後に追加治療として行います。
化学療法
抗がん剤治療です。単独でも行いますが、手術前に大きながんを小さくしたり、放射線治療と組み合わせて実施することも多いです。
子宮頸部円錐切除術を行った場合 (入院1泊2日/円錐切除手術代など) |
4万円~ |
---|
監修:清水なほみ
(ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~・院長)