「淋菌」という細菌に感染して起きる病気です。女性には症状がほとんど出ず、おりものが増える程度ですが、放っておけば、卵管炎や骨盤腹膜炎を起こし、不妊症や子宮外妊娠などの原因となります。もし妊娠中に感染すれば、早産や流産を引き起こしたり、出産時の母子感染で赤ちゃんが新生児結膜炎になり、失明してしまう可能性もあります。男性に多い感染症ですが、1度のセックスで感染する確率は約30%と言わるほど、感染率が高い病気です。最近では、フェラチオなどのオーラルセックスで、のどに感染するケースも増えています。パートナーが感染している確率は高いので、2人同時に治療を受けることが大切です。また、クラミジア感染症に同時感染していることも多いので、念のため両方の検査を受けましょう。
潜伏期間は2~7日で、子宮の入口にある頸部から感染し、次第に周辺の臓器へと広がっていきます。緑白色や黄色のおりものが増えた後、発熱や下腹部の痛みなどが出てきますが、こうした症状がないまま感染が進行することもあり、外陰部に炎症、尿道炎をおこし、うみが出ることも。治療を受けずに放置すると、膀胱、卵管、骨盤内に感染します。淋菌性膣炎、子宮内膜炎、淋菌性卵管炎を起こす可能性もあります。また、卵管で炎症を起こすとそこにうみがたまり、卵管がつまって通過障害を起こすため、子宮外妊娠や不妊症になることがあります。
筋肉注射や静脈注射などで、抗生剤を1~7日間投与します。症状に応じて投与するため、1回の注射で済む場合もあります。抗生物質に耐性のある淋菌が増えており、治療薬が限られたり、治療が長引くこともあります。が、途中で治療をやめてしまえば再発し、淋菌がさらに強い耐性を持つようになりますから、完治するまでは医師の治療方針に従うことが重要です。また、フェラチオによる咽頭感染の恐れがある場合には、耳鼻咽頭科で検査を受けましょう。
投薬治療 | 通院のみ |
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診察料 | 3000~5000円 |
検査代 | 4000円 |
薬代 | 3000円~ |