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2024年・公的介護保険制度の改正ポイントとは?

公的な介護保険制度は3年ごとに制度内容をみなおしています。高齢者が人口に占める割合が増加傾向にあるなか、介護保険制度はどのように変化していくのでしょうか。この記事では、介護保険制度の概要や2024年の改正ポイントについてまとめました。

1 公的介護保険制度の概要

介護保険は高齢者の介護を社会全体で支えあうために創設され、1997年の介護保険法成立を経て、2000年(平成12年)に介護保険制度が始まりました。
介護保険の加入者(被保険者)は第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40歳~64歳)に分かれています。

  第1号被保険者 第2号被保険者
対象者 65歳以上 40~64歳の医療保険加入者
介護保険料 65歳から所得に応じて17段階に定められた保険料を納付 40歳から医療保険者が定める保険料を納付
受給要件 要介護状態…寝たきりや認知症等で介護が必要な状態
要支援状態…日常生活に支援が必要な状態
末期がんや関節リウマチ等の加齢に起因する特定疾病により介護や日常生活の支援が必要になった状態
公的介護保険の第一号被保険者は65歳以上
公的介護保険の第二号被保険者は40歳から65歳の方

第1号被保険者は、介護を必要とする原因を問わず、要支援・要介護認定されたら介護保険サービスを受けられます。第2号被保険者は、特定の疾病による場合のみサービスを受けられます。

介護保険の年間保険料は住んでいる自治体によって所得額に応じて決められます。支払った保険料は社会保険料控除の対象になるので、確定申告で申告をすれば課税される所得が減り、結果として納税額を減らすことができます。

介護保険サービスを利用する場合の自己負担割合も、所得に応じて下図の様に1割~3割を利用者負担します。

本人の所得による、公的介護保険の自己負担割合

本人の所得により、公的介護保険の自己負担割合は1割から3割の中で決定する

2 公的介護保険のサービスを受ける流れ

介護保険サービスを受けるには、まず要支援・要介護認定を受けなければなりません。

手順

  • ①自治体の相談窓口へ相談・要介護認定の申請
  • ②調査員が訪問してきて心身の状態等を本人や家族から聞き取り調査
  • ③調査結果や主治医意見書をもとに一次判定
  • ④一次判定の結果等をふまえて介護認定審査会で審査
  • ⑤認定結果の通知「非該当」「要支援1~2」「要介護1~5」
  • ⑥介護支援専門員(ケアマネジャー)がケアプラン作成(要介護1~5の場合)
  • ⑦介護保険サービス利用開始

介護保険で受けられるサービスは居宅サービスや地域密着型サービス、施設サービス等があり、要介護状態の区分に合わせたサービスを受けられます。特徴的なのは自分で受けるサービスを選べることです。

介護保険で受けられるおもなサービス

介護保険で受けられる主なサービスの内容

3 2024年度から変わる介護保険制度の見直しの内容

公的な介護保険制度は3年毎に制度内容を見直すことになっていて、2024年(令和6年)度に最新の改正が行われました。介護保険ができてから、要支援・要介護認定者は増え続け、介護サービスの利用者も増え続けています。その一方で少子化が急速に進み、介護保険制度を支える若年層は減り続けています。

また、介護サービスを提供する事業者においても人口減少による人材不足の問題を抱えています。今回の改正でもこのような社会状況の変化に対応していくための内容になっています。

  • 1.地域包括ケアシステムの進化・推進…質の高い公正中立なケアマネジメント、医療と介護の連携推進、看取りへの対応強化、認知症の対応力向上等
  • 2.自立支援・重度化防止に向けた対応…リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的取組、LIFEを活用した質の高い介護等
  • 3.良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり…介護職員の処遇改善、生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり等
  • 4.制度の安定性・持続可能性の確保…評価の適正化・重点化、報酬の整理・簡素化等
  • 5.その他…書面提示規制の見直し、通所系サービスでの送迎に係る取扱いの明確化等

介護サービス利用者が増え続けていく状況下で介護保険を持続可能な制度にしていくには、介護職員も増え続けていかなければ対応できません。しかし、業務の専門性や労働環境・給与面などの課題もあり、増加が追い付いていない状況です。人材不足を改善するには介護職員の処遇改善と共に、介護サービスの効率化が必須です。

4 介護保険料の推移

介護保険を持続可能な制度にしていくには加入者の努力も当然必要です。介護保険の財源は公費(国・都道府県・市町村の負担金)と加入者(第1号・第2号被保険者)の保険料で賄われています。必要額が増えたり加入者が減ったりすると、加入者1人あたりの保険料を増やす必要があり、介護保険制度ができてから保険料は上がり続けています。

過去の第1号保険料(保険者ごとの保険料基準月額の全国加重平均)の推移

  • 第1期(2000年度~2002年度) 2,911円
  • 第2期(2003年度~2005年度) 3,293円 13.1%増
  • 第3期(2006年度~2008年度) 4,090円 24.2%増
  • 第4期(2009年度~2011年度) 4,160円  1.7%増
  • 第5期(2012年度~2014年度) 4,972円 19.5%増
  • 第6期(2015年度~2017年度) 5,514円 10.5%増
  • 第7期(2018年度~2020年度) 5,869円  6.4%増
  • 第8期(2021年度~2023年度) 6,014円  2.5%増
  • 第9期(2024年度~2026年度) 6,225円  3.5%増

実際の保険料は各保険者が地域に実情に合わせて決定し、地域によって金額差があります。全国平均で考えると、介護保険料は増加額の一途をたどっており、今後どのくらい値上げしていくかが気になるところです。

5 まとめ

要介護認定率は年齢が上がるにつれて上昇していて、それに連動して一人当たりの介護給付費用も年齢が上がるにつれて増えています。日本は65歳以上の人口が2040年代まで増え続け、大都市では75歳以上が今後急増する見込みです。そして、認知症になる高齢者が増えたり高齢者のみの世帯が増えたりしていることから、家庭内ではなく地域でサポートできる体制(地域包括ケアシステム)を整えていく必要があります。

公的な介護保険制度と医療保険制度は、私たちが安心して生活していくのに欠かすことのできない素晴らしい制度です。日本は人口が減少に転じ、少子高齢化が急速に進んでいます。支えてもらう人が増えて支える人が減れば、今まで通りでは通用しません。制度を持続していくには国民の一人一人が協力していく必要があります。個々でみれば保険料負担は増えていき、介護保険サービス利用時の自己負担も増えていくかもしれません。人生が長くなっている時代に最後まで安心して生活していくには、できる限りの自助努力もしていきたいところです。介護が必要とならないよう日頃から健康維持に努めたり、負担増になっても困らないよう、貯蓄や私的な介護保険加入等で備えたりしておくと良いでしょう。

ライタープロフィール

松浦建二 写真

松浦建二FP

CFP®・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。

※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。
  • ※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの最終更新日時点の税制・社会保険制度に基づくもので、すべての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

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